1-1.物流の主役は「運送会社のドライバー」

1.ドライバーの心構え

物流トラックドライバーは、陰ながら人々の生活や経済を支えています

man standing on the side of the road

日本の輸送を支える約9割は、自動車やトラックによる道路貨物輸送です。(その他には海上・航空・鉄道での輸送等があります。)

また、最近では荷物を運ぶだけではなく幅広い事業を展開し、道路貨物輸送業者の活躍の場が拡大しています。

道路輸送、つまり自動車やトラックの輸送が選ばれるのは、「ドアツードア」で、きめ細かいサービスが出来たり、積替えの手間や時間のロスを他に比べて大幅に軽減できるからです。

ですから、日本の物流の9割を支えるという「道路 運送会社に務めるドライバーさんたち」が居るからこそ、私達の生活や経済が成り立っている。と言っても過言ではありません。

 そんな私たち物流の主役である、トラックドライバーは運転をすることでお金をいただくプロの職業ドライバーですが、私たちが仕事をするうえで、どのような役割や責任、運転マナーを考える必要があるでしょうか。

一番身近で一番便利な物流、「トラック輸送」が止まったら

red stop signage under clear blue sky

ライフラインを守っているのが、私たちプロドライバー

私たちの生活に必要な身の回りにある物は、どのように私たちの手元に来たでしょうか。想像してみて下さい。身の回りの物の多くは、トラックや軽貨物による物流が関与しているはずです。Amazonで購入した商品は、もちろん運送会社のドライバーさんが配達してきましたよね?

では、お店で買った商品はどうでしょうか。実は自分でお店へ行って購入した商品も、その多くは流通経路でトラックが使われています。外国から船で日本に来た商品も、ノルウェーから飛行機で来たサーモンも、私たちの手元にくるまでに何処かの段階でトラック輸送をしていることでしょう。

現代の便利な生活の中で、私たちプロドライバーはとても重要な役割を果たしています。それは、電気・ガス・水道などのライフラインと同様に、生活を支える重要なラインラインであり、私たちドライバーによる物流が止まってしまっては、もはや日常生活が成り立たなくなってしまうのです。

災害時のトラックの活躍

日本は災害大国とも呼ばれるように、大きな地震だけでも、阪神淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震など、たくさんの災害が挙げられます。

私の居る東京では、東日本大震災の時にトラックのガソリン供給が不足して、食品やその他物品を買うのにも大変な思いをしました。物流が滞り、生活必需品の供給がストップしてしまうと、外国においては、暴動にまで発展することさえあります。

全日本トラック協会では、災害時の緊急・救援輸送をおこなっており、くらしと経済を支える「ライフライン=命綱」であるトラック輸送として、国や地方自治体と連携して、優先的な配送体制を整えています。

未曾有の大惨事であった、東日本大震災のときには、国による輸送1925両、都道府県による輸送が8702両の合わせて、1万両を超えるトラックが被災地に物資を届けました。先に上げた地震でもトラック輸送による支援があったほか、集中豪雨や火山活動、珍しいところではナホトカ号の重油流出事故のときにも、トラックによる緊急輸送が実施されました。

こうした事からも、経済活動や国民生活に欠かせないのが、トラックや軽貨物などによる自動車輸送なのです。

そんなプロドライバーは、日頃からどのような心構えで運転に向かえば良いでしょうか。

プロのトラックドライバーとしての心構え

man in white shirt holding an ipad

車両は大きくなるほど死亡事故につながるので、事故をおこさないという強い信念が必要です

まず、車両が大きくなればなるほど事故が重大化しやすいということをよく覚えておきましょう。トラックは乗用車と比べてはるかに頑丈にできています。特にボディを支えるシャーシの強さは乗用車の比ではありません。そのため、乗用車とトラックが事故を起こせば、乗用車のダメージが大きく死亡事故につながりやすいです。

もう一方で考えておく必要があるのがトラック側です。トラックはシャーシは強いのですが、ドライバーの乗っているキャビンはそこまで頑丈ではありません。トラックには、乗用車と違いボンネットが無いので衝突時の衝撃を吸収することができません。乗用車との衝突であれば、乗用車がつぶれます。しかし、壁やトラック同士の事故などで、キャビンよりも丈夫なものとぶつかってしまえば、事故の衝撃を吸収することができず、キャビンがつぶれてドライバーが挟まれてしまうという事故が多いのです。

相手の命を守り、自分の命も守るよう、事故をおこさないという信念が必要です。

エコドライブをして省エネと安全

トラックは燃料として、主に軽油を使って動いています。軽油を使用すると排出ガスが出ます。排出ガスの中には大気を汚染する物質が含まれています。環境のためというのがまず1つ目です。

次に自分のためです。エコドライブは、急発進・急加速・急減速などが禁物となります。おだやかな運転になると自然に安全運転になります。また、エコドライブで経費の節減にもなりますし、交通事故が減れば保険料も安くなります。見返りを期待してエコドライブを行うものではありませんが、所属する会社に資金が残れば、巡り巡って自分にも返ってくるのでは無いでしょうか。

健康管理にも気をつける

運転をするには、健康状態が良いということも大切です。よく寝てよく食べるなど、基本的な健康管理に注意しましょう。

事故をおこさない為に心がけること

  • スピードを出しすぎない
  • 疲れたら休憩をとる
  • 車間距離を保つ

ドライバーさんに聞くとこのようなことがよくあがります。どれも非常に大切なことですね。

運転マナーに気をつける

運転マナーや荷扱いのときのマナーはとても重要です。お金をもらって仕事をする=プロであり、プロドライバーだからこそ、他の手本となるような安全でマナーの良い運転を心がける必要がありますし、そのことが走る広告塔として、会社や業界のイメージ向上につながります。それがめぐりめぐって自分の生活につながる。という考え方を持っておくと良いでしょう。

思いやりと譲り合いの気持ちをもって、初心者やサンデードライバーにもやさしい目で見守るような意識を保てると良いですね。

 

ドライバーさんの感想

加藤さん
加藤さん

トラック輸送が、こんなにも社会的な影響しているとは思わなかったです。これからも頑張って仕事をしていきます❗️

斎藤さん
斎藤さん

物を運ぶことを当たり前だとはおもっては行けないことがわかった。
食べ物でも自分たちが普段使うものすべてにおいて誰かが運んでいる感謝を忘れては行けないとおもった。

新井さん
新井さん

ドライバー1人でも社会的に重要な仕事をしていると再確認し、責任感を持って仕事に励みたいと思います。

研修完了報告

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定期的な教育研修指導や、初任運転者に対する座学指導指導記録簿を作成する際にぜひご活用下さい。特に、指導記録簿をエクセルなどで管理している場合は、メールに来た受講者の感想をコピー・アンド・ペーストできますので便利にご利用いただけます。

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