5-1.トラックの構造上の特性

5.トラックの構造と運転

トラックは乗用車よりも大きく重いため、ひとたび事故を起こせば重大な事故につながる可能性があります。そのため、トラックのドライバーは、運転技術だけでなく、知識やマナーの向上にも努める必要があります。

トラックの構造と性能の特性

車両寸法

トラックの形状と性能については、道路運送車両の保安基準で様々な基準が
定められています。このうち、車両寸法については、全長、全幅、全高、リヤオーバーハング、最低地上高などの上限が定められています。 また荷台の内寸、床面地上高といったものも決められています。
そのほか、車両の安定性が求められるためトレッドやホイールベースの長さもあります。
トレッドとは左右の接地面の中央から中央までの距離を測ったものです。それが広ければ安定性が高まります。ホイールベースとは前輪と後輪の車軸の中心間の距離をいいます。車軸が3つ以上あるものについては、最も遠い車軸間の距離で表します。これを最遠実距(さいえんじっきょ)といいます。これも長いほど安定性が高まります。
オーバーハングとは前後の車軸より外側にはみ出している車体の部分をいいます。

車両重量と最大積載量


車両重量とは走行可能な状態(燃料、冷却水、エンジンオイルなど規定量入れた状態)での
車体自体の重さです。
最大積載量とは、車両総重量から車両重量と乗車定員の重量を引いた数字になります。そして
車体の後面にそれを表示しなければなりません。
ちなみに車両総重量とは、車両重量に乗車定員と最大積載量を加えた重量です。
乗員は一人当たり55㎏×定員で計算します。

車両性能


道路運送車両の保安基準で最小回転半径12m以下、傾斜時の安定性は空車状態で
左右に35度傾けた場合でも転覆しない、など安定性の基準が定められています。
登坂能力も車種によって違いがあり、積載量が重くなる程低下します。そのため高速道路の上り坂では
重量が重く登り坂でのスピードが低下しやすいトラックのために登坂車線が設けられています。

トラックを運転する上での『視野』と『死角』について

運転席が高く、車体全体が大きいため、一般的な乗用車と比較すると、視認性や視野が大きく異なります。

車体の大きいトラックの構造上、乗用車とは異なる死角ができます。ミラーやバックカメラなど死角を減らす機能や仕組みもありますが、目視も大事ですので、運転をする際は、注意を怠らないようにしましょう。

トラックを運転する上での『車幅』への注意

乗用車に比べてトラックは車幅が広いので、細い道などですれ違うときは十分注意して運転する必要があります。

トラックを運転する時に気をつける『内輪差』

自動車が曲がるとき、後輪は前輪に比べて内側を通ります。この時の、曲がる側の前輪と後輪のタイヤが通る道幅の差を内輪差と言います。

この内輪差は車体の長いトラックほど大きくなります。トラックを運転するドライバーは内輪差を意識し、特に後輪が道路のどこを通るのかを意識して曲がる必要があります。

トラックの構造上の特性、まとめ

保安基準できめられたものは荷物を安全に輸送すると同時に、トラックを運転するドライバー自信の安全も守るものでもあります。

ですので、保安基準についても知識として覚えておくといいと思います。

また、その中で日々自分が乗っている車両のサイズなどは、安全のために車体の寸法を把握する他、荷台の内寸も含めて、お客様や引き取り先などで聞かれることが多々あります。

「このサイズの商品何ケース入る?」など。その時のためにきちんとシミュレーションしておきましょう。

それでは、今後とも安全に注意して配送いただきますようお願いいたします!

ドライバーさんの感想

藤下さん
藤下さん

自分の荷台の長さ幅を把握しておくと積む際困らないし、車両重量が走行可能な状態だと初めて知りました。

斎藤さん
斎藤さん

お客様の物を運ぶ上で安全に運ぶのがプロのお仕事であり、また走っている所を見て、運転技術もそうですが、人柄などを見て「あっこの会社に頼んでよかった」と思ってもらえるように、また大きい乗り物だからこそ基準など色々なことを守りお客様の元へ行く。物を運ぶだけではなく、プロの運転で安心を提供するのも我々の仕事だと思います。

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