8-2.交通事故に関わる運転者の生理的・心理的要因と対処方法

8.安全運転

事故の発生要因としての、生理的要因と心理的要因とは

man in blue and brown plaid dress shirt touching his hair

事故の発生原因の中で、生理的要因や心理的要因と呼ばれるものの中には、おおきく分けて下記の3つが考えられます。

  1. 疲労
  2. ストレス
  3. ヒューマンエラー

研修くん
研修くん

疲労、ストレス、ヒューマンエラーについて、それぞれみてみましょう。

『疲労』が交通事故の要因となる場合とその対処方法

疲労は誰もが感じたことのある、人間の生理現象です。日常の中で誰しも感じる生理的な状態なので、「疲れた」と感じていてもあまり深刻に考えない人もいると思います。しかし、疲労が続くと重大な病気を招く可能性があるため、あまり軽く考えてはなりません。

疲労は心身機能の低下を示すサインのようなものです。その状態で運転を続けると、運転に支障をきたし事故の原因にもなりえます。

疲労状態では、集中力がなくなり、注意範囲が狭くなります。動作を正確にやろうという意欲もなくなり、作業の手を抜くようにもなりがちです。疲労を招く要因には、睡眠不足や過度な運動、風邪による体調不良などさまざまなものがありますが、運転の仕方が疲労を早めることもあります。

強引な車線変更やスピードを出す行為は緊張感を高めるため疲労を早める原因になります。また、悪い姿勢での運転や長時間運転なども疲労の大きな原因になります。適度な休憩をはさみ、連続4時間を超えるような運転は違反にもなりますので避けましょう。

運転中は常に緊張状態にあります。そのため精神的にも疲労が生じやすくなります

例えば、渋滞に巻き込まれると「予定時間に到着しなければ」という焦りからイライラがつのる、強引な車線変更、追い越しなどがあげられます。

肉体的疲労にも言えることですが、普段から良い睡眠をとる、休憩時間をきちんととるなどして疲労を軽減してください。

『ストレス』が交通事故の要因となる場合とその対処方法

ストレスとは外からの刺激を受けた時の心の状態をいいます。ストレスには仕事のやる気を起こさせる良いストレスもありますが、怒りやイライラなどの感情は運転に悪影響を及ぼします。渋滞でのストレスでイライラし、それが解消されるとその反動でスピードを一気に上げて走行したり、突然の割り込みでカッとして車間を詰める、また家庭の悩みなどで運転に集中できず、事故を起こすなど、ストレスの原因は様々です。

業務中においても運送業務は、ジャスト・イン・タイムに代表されるように、時間的な制約などからストレスを感じやすいため、それをいかにコントロールするかは安全運転にとって非常に大切な条件となります。

ストレスは誰もが感じるものですが、一人では解決出来にくいものです。運行管理者など周囲の人に相談して解決を図っていくのも良い方法です。

『ヒューマンエラー』が交通事故の要因となる場合とその対処方法

交通事故の大半は「人」のミス、いわゆるヒューマンエラーで起こっています。人はエラー(間違い)をする生きものですから心理状態や環境の影響で作業状態は変化します。ただ交通事故につながるようなエラー(間違い)を防止することも「人」にしか出来ません。

運転は、認知・判断・操作の繰り返しで成り立っています。どの段階でエラー(間違い)が起きても、重大な事故に繋がる危険があります。

ヒューマンエラーの原因としては思い込み、知識・技能不足、妨害が入る、緊張状態などがあげられます。
これらを防ぐポイントとしては、心に余裕を持つということが大切です。それによって、悪い状況や状態に対して謙虚な態度で運転できるようになります。

また、ドライバーさんの中には聞いたことがある人も多いかと思いますが、『だろう運転』ではなく、『かもしれない運転』の習慣をつけることが大切です。かもしれない運転をする事で、エラーはかなり少なくなります。

『かもしれない運転』をするには、知識や技能不足は向上させるしかありませんので、トラックの運転特性をしっかり理解して運転してください。運転に慣れてくると、「手抜き運転」をしがちになります。基本を忘れないで行動してください。

交通事故の要因分析

man in black suit jacket

交通事故が発生した時は、その要因を分析することが大切です。そのための有効な方法の一つに4Ⅿ分類法があります。
4Ⅿとは、


Man:人(運転者)に関すること
Machine:機械(車両)に関すること
Media:環境(走行環境)に関すること
Management:管理(運行管理)に関すること


を言いそれぞれの頭文字をとって4Ⅿ分類法と言われてます。事故要因を4つのⅯに分けてそれぞれの要因の対策を立てる優先順位を決めていきます。そして高い順に事故防止対策として設定し、事実が把握出来たらそれに応じて対策を講じます。この場合できるだけ具体的な対策をたてましょう。

例えば「夜間は暗いので、危険を見落とさないよう十分注意する」といった内容では対策にはなりません。

「対向車や前車がいないときには、ヘッドライトを上向きに切り替え、スピードを昼間よりも落とす」などのようにより具体的に対策としてたてます。そうすることによって、それを自分が実践したかどうかの検証もできます。

発生した事故については「なぜ?」を繰り返すことによって、原因をより深く、また具体的なものが対策として見えてきます。そうすることで自分の考え方の特徴なども検証できるというメリットがあります。さらに物事を正しく見る力、正しい表現力、日ごろの生活でも言葉づかいを意識すると能力も高まり、論理的な考え方などのに繋がるものです。

ドライバーさんの感想

太田さん
太田さん

運転において、ストレス管理、体調管理が、とても大事だということがわかりました。大多数の車がドライブではなく、目的や、制限時間を持って走っている状況でストレスを感じ、百点に近い体調と確認や運行方法で運転しないと事故を起こす可能性があるとても危険な道具であることを再度認識して運転に望もうと思いました。

斎藤さん
斎藤さん

 疲労、ストレスなど、色々なものが重なってしまうと、色々なところが抜けてしまうと思います。

個人個人で、ストレスを貯めないための方法があると思いますが、会社側も、その人が「きつそうだな」という姿を見つけてあげるのも必要かと思います。ドライバーが「きつい」と本音で言える会社作りをしていくのも大切かなと思いました。

久保さん
久保さん

事故の要因は疲労だけではなくストレスも関係するのを知りました。

稲垣さん
稲垣さん

疲労やストレスを解消するために夜は早めに就寝したり、休日にはしっかりと体を休ませて、心身ともに健康な状態で仕事に臨めるようにしたいと思います。

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