7-1.危険予測の必要性

7.危険の予測と回避

トラックを運転する際は様々な危険の認識をする必要があります。

危険予測のために、まず最初に「見る」という行為。


ヒトは運転に必要な情報の大半を目から取り入れています。そして脳内で目や耳などその他の情報などと総合して判断しています。なかでも目から入ってくる視覚情報は、例えば信号の認識や歩行者の有無など、とても大事で膨大な量があります。このように運転に必要となる重要な情報をヒトは「見る」という行為によって得ています。


運転免許の更新時に必ず視力検査が行われるのもそのためです。安全な運転をするためには、「目でよく見る」ということが非常に重要な行為となります。しかし人間の視力(視線を動かさずに見える範囲)には限界があります。両目で正面を見た場合200度程度、そのうち色彩まで認識できるのは35度程度に過ぎず、それを超える範囲にあるものについては色がわからなくなります。

また、車の速度が速くなるとハッキリ見える範囲はどんどん狭くなっていき、とくに近くのものはぼやけて見えてきます。一般に「視力」といわれる場合は静止視力(静止した状態で静止した対象を見るとき)をさしています。一方で車を運転しているときは、自分の車両や見ている対象のものがすべて動いています。
このように動きながら見る、動いているものを見るときのの視力を「動体視力」といいます。
これはスピードを出せば出すほど低下しますので、危険性は高まっていきます。

トンネル事故の危険予測には暗順応と明順応を知る事が大事

目は、明るさや暗さの変化にはすぐには慣れず、明るいところから暗いところに入った時、しばらく何も見えない状態になり、やがて眼が慣れて見えるようになってきます。これを「暗順応」といいます。逆に暗いところから急に明るい所に出たとき、眩しくて一瞬何も見えない状態となりやがて見えるようになります。これを「明順応」といいます。昼間に暗いトンネルに入るときなどは注意が必要です。

錯覚や漫然運転をなくして、危険予測の精度を高めよう


テレビ番組で、同じ長さの直線なのに一方が長く見えたり、同じ面積の図形の一方が大きく見えるなどのクイズを一度は見たことがあると思います。これは図形そのもの、あるいはその周囲にほかの要素が加わると正確な見方が出来なくなるという目の錯覚を利用したものです。日常では、対向してくる車とバイクが同じ距離にいてもバイクの方が遠くに見える、高速道路では上り坂だと思っていたら実は下り坂だったなど、経験したことがある人は大勢いると思います。


人間は錯覚するものだと自覚して、錯覚を起こしやすい場面を理解しそうした場面では「これは錯覚かもしれない」と意識して運転しなければなりません。また目で色々な情報を得ていますが、見ているようで見ていなかったり、必要なものや興味のあるものを選んでみています。
経験や慣れによる漫然運転で見るべき対象の選択を誤ると、危険の発見の遅れや見落としにつながります。
漫然とした状態では適切にものを見ることはできません。見るという意識をもって、しっかりと「見る」ということが大切です。

見える危険と見えない危険

高齢者が道路を明らかに渡ろうとしていたら、あるいは渡っていたら大半のドライバーは危険と判断すると思います。これは見える危険です。では道路の端に立っていた場合はどうでしょう。高齢者が横断してきそうだから、このまま進行すると事故になると判断するドライバーもいれば、横断してこないから大丈夫と判断するドライバーもいるでしょう。


事故になると判断したドライバーにとって高齢者は「見える危険」であり、注意すべき対象ですが、大丈夫と判断したドライバーにとっては見えてはいるものの危険な対象ではないということになります。


同じ対象を見ても危険の見積もり方(リスク評価)によって運転の仕方が変わり、安全性も変わってきます。事故を起こさないためには、前方の状況の把握はもちろんですが、危険を高くも積もって早めに危険を回避する運動行動をとる必要があります。


危険が常に見えるとは限りません。交通場面には様々な死角が存在します。

  • ・車の構造上の死角
  • ・他車が作る死角
  • ・道路形状が作る死角


これらは車を運転するうえで常に把握し、危険を予想しながら行動しなければいけません。そしてもう一つ見えない危険があります。それは自分の中に潜む危険です。初めてトラックのハンドルを握ったときには緊張感をもって慎重に運転していても、慣れてくると次第に気が緩み始めて油断が生じたり、自分は運転がうまいという過信に陥ることもあります。またトラックは車体が大きいこともあって他車を思いやる気持ちが薄れるおそれもあります。決して過信せず思いやりをもった運転を心がけましょう。


また急ぎや焦りの気持ちが強くなると冷静な判断ができなくなったり、相手を思いやる余裕が失われていきます。これを抑えるためには時間にゆとりを待たせることが大切です。混雑が予想されるときや悪天候時などは、特に注意して余裕のある走行を心掛けましょう。また体調が悪いとき、疲れているときなども注意力、判断力が低下します。


普段から常にベストコンディションでハンドルを握れるように心がけましょう。

ドライバーさんの感想

田島さん
田島さん

私は精密機械を積んで凸凹道を走ることが多いので、慣れや油断を廃し、緊張感を持って運転したいと思います。
勿論、ベストコンディションで走りたいです。
運転の際は、眼鏡を使用しているので、眼科へ定期的に行ければ、と思います。それと、トンネル内での違法駐車はやめてもらいたいです。とても怖いです。

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    7.危険の予測と回避
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