8-1.運転者の運転適性に応じた安全運転

8.安全運転

安全運転のための心身の健康管理

運転者の運転適性に応じた安全運転

toddler riding bicycle on road

自動車を運転するすべてのドライバーは、運転免許を取得する時に視力や聴力の適正試験(検査)を受け、これに合格しなければ免許は取得できません。それはつまり、運転には一定の視力や聴力などが必要とされるわけです。しかし、それらに問題がなければ十分かといえば、決してそうではありません。

多くの車や自転車、歩行者が通行する道路を安全に走行するためには適切な注意配分や危険予測、的確な判断や動作のタイミングなど様々な能力が求められます。

それらがどの程度備わっているかをチェックし、アドバイスするために、NASVA(自動車事故対策機構)では、運転者適性診断(以下適性診断)がおこなわれています。

この適性診断は、その結果によって運転に向いてるかいないかを判断するものではありません。また結果が悪ければ運転業務につけないとか、業務を降ろされるなどという目的のものではありません。

適性診断は、そのドライバーの運転に関する長所や短所といった運転のクセ、その時起きたことに対しての心理状況など、様々な測定によって見いだし、今後どのような点を配慮して運転すればいいか考えてもらうためのものです。

仮に適性診断で低い評価が出た場合でも、本人の運転に対する態度や考え方、改善しようとする意思、また管理者からのアドバイスなどによって変えていけばよいのです。大切なことはその結果を自覚することであり、それを教えてくれるのが適正診断です。

適性診断の種類

anonymous boy playing car racing simulator near mother and sibling

適性診断の種類としては、一般診断、初任診断、特定診断Ⅰ、特定診断Ⅱ、適齢診断の5種があります。


下記にあげるドライバーは、貨物自動車運送事業輸送安全規則によって、適性診断を受けることが義務付けられています。
○初任運転者(新たに雇い入れられたドライバー)
○事故惹起運転者(死者または負傷者が生じた事故を起こしたドライバー)
○高齢運転者(65歳以上のドライバー)
※上記のドライバーを「特定運転者」といいます。
※特定運転者は国土交通大臣に認定された実施機関で受けなければならない。

特定運転者以外のドライバーについては特に法令での定めはありません。しかし自分の弱点や身体面、心理面の変化などそれをふまえた運転上の注意点やアドバイスを与えてくれるので、3年に1回を目安に受診することをお勧めします。

適性診断の項目についてはいろいろあります。それは診断する対象者によっても異なります。
適性診断を受けると、診断結果が記載された「適性診断表」が発行されます。それにはしっかりと目を通してください。そしてそれを活用し、運行管理者などの指導・助言に耳を傾けて、自分の運転特性をよく理解することが大切です。

(付録)心身の健康管理の必要性

man in gray sleeveless shirt riding bike

身体の健康と運転

身体の健康は、安全に運転をおこなう上で、一番の基礎となる大切な事柄です。プロドライバーは日頃から健康管理に気をつけていく必要があります。なぜなら、運転するということは、単独で判断し行動するという繰り返しで、同じ姿勢で作業をしなくてはなりませんし、ときにはとっさの対応が必要になるからです。運転という行為は、慣れてくれば単純作業の繰り返しとなりますが、身体の健康状態が悪い場合は運転に影響がでてしまうかもしれません。日頃から健康状態に気をつけましょう。

精神面の健康と運転

運転するときには、身体が健康でいれば問題ない。ということはありません。心や精神面の健康状態は運転な大きな影響を及ぼします。ちょっとしたイライラなどのストレスはもちろん、慢性的な悩みを抱えている状態で運転することは危険です。実際に事故を起こしたドライバーさんに話を聞くと、精神的に悩みを抱えていた。ということが、本当によくあります。なにか悩みを抱えている場合は、同僚や上司などに相談したり、相談窓口を利用するようにしましょう。

参考:厚生労働省:こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

ドライバーさんの感想

太田さん
太田さん

適性診断表何度か渡されましたが、真剣に読み込んだことはありませんでした。次回からは分析するぐらい熟読して、今後は過去との比較もしていきたいと思います。

荒尾さん
荒尾さん

適性診断表のことは知っていました。実際に道路にでて運転するので、その時の状況など臨機応援にやらないといけないと思うので、この診断表の結果が全てではないと思いますが、データとして自分は何がしっかりできていて、何をもっとやった方がいいのかというのを知ることができるので、定期的に行い、自分の運転と運転時の自分を知ることが大切だと思います。

研修完了報告

以下のフォームに、お名前会社名メールアドレスと、研修の感想を記入して、「送信」ボタンを押して下さい。入力したメールアドレス宛に、研修完了報告を送信します。

定期的な教育研修指導や、初任運転者に対する座学指導指導記録簿を作成する際にぜひご活用下さい。特に、指導記録簿をエクセルなどで管理している場合は、メールに来た受講者の感想をコピー・アンド・ペーストできますので便利にご利用いただけます。

    ※送信いただいた内容は、より良いサイト構築のため、「ドライバーさんの感想」として掲載させていただく場合がございます。その際、個人の特定を防ぐためにフルネームの記載はいたしません。また、文章を一部改変させていただく場合があります。※





    8.安全運転
    小さな運送会社のための研修テキスト
    タイトルとURLをコピーしました