安全運転のための心身の健康管理
運転者の運転適性に応じた安全運転

車を運転するすべてのドライバーは、運転免許を取るときに視力や聴力などの適性試験(検査)を受け、合格しなければ免許を取ることができません。つまり、運転には一定の視力や聴力などが必要とされるということです。でも、それらに問題がなければ十分かというと、決してそうではありません。
たくさんの車や自転車、歩行者が行き交う道路を安全に走るためには、適切な注意の配り方や危険の予測、的確な判断や操作のタイミングなど、さまざまな能力が求められます。
それらがどの程度そなわっているかをチェックしてアドバイスするのが、運転者適性診断(以下「適性診断」)です。NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)などの、国土交通大臣の認定を受けた機関で受けることができます。
適性診断は、その結果で運転に向いている・向いていないを決めるものではありません。結果が悪ければ運転の仕事につけない、仕事を降ろされる、といった目的のものでもありません。
適性診断は、そのドライバーの運転の長所や短所といったクセや、とっさのときの心の動きなどをさまざまな測定で見つけ出し、これからどんな点に気をつけて運転すればよいかを考えてもらうためのものです。
もし低い評価が出ても、本人の運転への態度や考え方、改善しようとする気持ち、管理者からのアドバイスなどで変えていけばよいのです。大切なのは結果を自覚することで、それを教えてくれるのが適性診断です。
適性診断の種類

適性診断には、一般診断、初任診断、特定診断Ⅰ、特定診断Ⅱ、適齢診断 の5種類があります。
次のドライバーは、国の指針(貨物自動車運送事業者が運転者に対して行う指導及び監督の指針)と貨物自動車運送事業輸送安全規則にもとづいて、会社が適性診断を受けさせることになっています。
| 対象 | 受ける診断 | いつまでに |
|---|---|---|
| 新しく雇われた運転者で、乗務する前の3年間に初任診断を受けていない人 | 初任診断 | 初めて乗務する前(やむを得ない場合は乗務開始後1か月以内) |
| 事故惹起運転者: 死者または重傷者が出た事故を起こし、その前1年間に事故がない人/軽傷者が出た事故を起こし、その前3年間にも事故を起こしている人 | 特定診断Ⅰ | 事故後、再び乗務する前(やむを得ない場合は乗務開始後1か月以内) |
| 事故惹起運転者: 死者または重傷者が出た事故を起こし、その前1年間にも事故を起こしている人 | 特定診断Ⅱ | 同上 |
| 高齢運転者 | 適齢診断 | 65歳になってから1年以内に1回、その後は3年以内ごとに1回(65歳以上で新しく選任された人は、選任から1年以内) |
2025年4月からは、軽トラックや軽バンで運ぶ軽貨物(貨物軽自動車運送事業)の運転者も、 初めて乗務する前の初任診断、事故を起こしたときの特定診断、65歳以上の適齢診断の対象になりました。
また、会社は運転者を新しく雇うとき、自動車安全運転センターの 運転記録証明書 などで、雇う前の事故歴を確認することになっています。
上の対象にあたらないドライバーには、法令での受診の義務はありません。でも、自分の弱点や体・心の変化をふまえた運転の注意点をアドバイスしてもらえるので、一般診断を3年に1回くらいを目安に 受けることをおすすめします。
診断の項目は、受ける人や診断の種類によって違います。
適性診断を受けると、結果が書かれた「適性診断票」が発行されます。必ずしっかり目を通してください。それを活用し、運行管理者などの指導やアドバイスに耳を傾けて、自分の運転の特性をよく理解することが大切です。
(付録)心身の健康管理の必要性

身体の健康と運転
体の健康は、安全に運転するうえで一番の土台になる大切なことです。プロドライバーは日頃から健康管理に気をつける必要があります。運転は一人で判断して行動することのくり返しで、長い時間同じ姿勢を続け、ときにはとっさの対応も必要になるからです。慣れてくると単純な作業のくり返しになりますが、体の調子が悪いと運転に影響が出てしまうかもしれません。日頃から健康状態に気をつけましょう。体調が悪いときは、点呼のときに必ず申し出てください。
精神面の健康と運転
体が健康なら問題ない、というわけではありません。心の健康状態も運転に大きな影響を与えます。ちょっとしたイライラなどのストレスはもちろん、ずっと悩みを抱えたまま運転するのは危険です。実際に事故を起こしたドライバーさんに話を聞くと、「悩みを抱えていた」ということが本当によくあります。悩みがあるときは、同僚や上司に相談したり、相談窓口を利用したりしましょう。
参考: 厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」
ドライバーさんの感想

適性診断表何度か渡されましたが、真剣に読み込んだことはありませんでした。次回からは分析するぐらい熟読して、今後は過去との比較もしていきたいと思います。

適性診断表のことは知っていました。実際に道路にでて運転するので、その時の状況など臨機応援にやらないといけないと思うので、この診断表の結果が全てではないと思いますが、データとして自分は何がしっかりできていて、何をもっとやった方がいいのかというのを知ることができるので、定期的に行い、自分の運転と運転時の自分を知ることが大切だと思います。
最終確認日・出典(最終確認日: 2026年10月9日)
- 国土交通省「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(第二章4・5) https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/kamotsu_sidou.pdf
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(第10条) https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800022
- 国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000172.html














